家のカギを失くして二階の窓から入ろうとして屋根から落ちた話

家のカギを失くして二階の窓から入ろうとして屋根から落ちた話

10歳になる頃からカギっ子生活を送っていたので、中学になるころにはもうカギっ子マスターと言えるくらいにカギを開けて一人で放課後を過ごすことに慣れていました。ですが、その中学生の頃のある日、どこかで自宅のカギをなくしていたのです。自宅のカギは当然自分自身か、親の二人しか持っていませんからそのままでは家に入ることができません。しかも両親はいつも仕事の関係上、夜の9時以降にしか帰ることはありませんので、それまで家に入れないということでした。

大人になった今であれば夜9時くらいなら適当にそこらへんで時間を潰してから帰ることができますが、中学生となれば行くところもありませんのでさすがに夜9時までどこかで時間を潰すなんてことはほぼ不可能だったのです。そのため、どうにかしてでも家に入りたいという気持ちがあり、考えて考え抜いた結果、二階の窓から入ろうということを思いつき、屋根の雨水が流れるパイプを伝って屋根に上り、そしてその屋根から二階の窓があるベランダに降りようという計画を頭の中で瞬時に立てました。

さすが10代半ばということもあり、その当時は運動神経も良かったので屋根に上るまでは簡単に行えました。しかし、そこからが私の不幸の始まりでした。というのも、屋根の上を移動している最中に瓦で足を滑らせて屋根から落ちてしまったのです。幸い、とっさに体を捻らせて二階のベランダに転げるように落ちたためそれほど大きな怪我はありませんでしたが、背中を強打していたので背部の至る所がかなり痛かったことを覚えています。

その時はなんとか大事には至りませんでしたが、もしあれが一階まで転落していたらと思うと今でもゾッとします。あれ以来というもの、もうあんな怖い思いをしたくなかったので絶対にカギを無くさないように気をつけるようになりましたし、もしカギを失くしても屋根に上るなんて危険なことはやめようという気になりました。